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関数解析学における開写像定理(かいしゃぞうていり、)あるいはバナッハ・シャウダーの定理(ステファン・バナッハとの名にちなむ)とは、バナッハ空間の間の連続線形作用素が全射であるならばであるということについて述べた、同分野の基本的な結果の一つである。より正確に言うと : * もし ''X'' と ''Y'' がバナッハ空間で、''A'' : ''X'' → ''Y'' が全射の連続線形作用素であるなら、''A'' は開写像である(すなわち、''U'' が ''X'' の開集合であるなら、''A''(''U'') は ''Y'' の開集合となる)。 証明にはベールの範疇定理が用いられる。また ''X'' と ''Y'' が完備であることは、定理の成立において本質的な条件である。実際、上記の主張において ''X'', ''Y'' がバナッハ(完備なノルム空間)であるという仮定を緩めて、いずれかの空間が(完備でない)単なるノルム空間であるとするとこの主張は正しくなくなり、対して ''X'' と ''Y'' が(完備だがその距離が必ずしもノルムから導かれるものでない)フレシェ空間とした場合にはやはり主張が成り立つ。 ==帰結== 開写像定理にはいくつかの重要な帰結が存在する: * ''A'' : ''X'' → ''Y'' がバナッハ空間 ''X'' と ''Y'' の間の全単射連続線形作用素ならば、逆作用素 ''A''-1 : ''Y'' → ''X'' は連続となる(有界逆写像定理)。 * ''A'' : ''X'' → ''Y'' がバナッハ空間 ''X'' と ''Y'' の間の線形作用素で、''x''''n'' → 0 かつ ''Ax''''n'' → ''y'' であるような ''X'' 内の任意の点列 (''x''''n'') に対し ''y'' = 0 が成立するならば、''A'' は連続である(閉グラフ定理)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「開写像定理 (関数解析)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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